私たちの仕事
中小企業、子育て世代、子どもたち。ひとつながりの3つの事業
私たちの出発点は、中小企業の現場の課題解決です。そこで見つかる「いま、お金を払ってでも解決したい問題」が、そのまま教材になります。子育て世代のリスキリングへ、子どもたちの探究の授業へ。3つは別々の事業ではなく、ひとつながりの循環です。
1.中小企業の現場に、テクノロジーを使った問題解決人材を育てる。
私たちの出発点は、中小企業の現場の課題解決です。特にフォーカスする課題は、人手不足、販売不振、生産性の低下、この3点です。
なぜ、中小企業で、なぜ、この3つの課題なのか?
それは、中小企業は日本の企業の99.7%を占め、これら3つの課題は、どの企業にも共通する、ひっ迫したものだからです。
これらの問題を放置すると、そこで働く人が疲弊します。そこで働く人が疲弊し、家に帰って落ち込み、不機嫌でいると、その家族、子どもたちも、つらい気持ちになるでしょう、そして将来働くという事について、ネガティブな印象を持ってしまうでしょう。
そして、地域の企業が衰退していくと、その町の財政も衰退し、町そのものが元気をなくしてしまいます。
中小企業の抱える問題は、中小企業だけの問題にあらず。働く人の家族、子ども、そして地域への大きな影響を与えます。
しかしながら、これは反対の見方をすると、中小企業が3つの課題を解決、あるいは少しでも改善する事ができれば、そこで働く人は、それまでより時間と心の余裕が生まれ、家族、子どもにも良い影響がおよぶでしょう。そして、企業の業績が改善すれば、地域の税収も増え、町も元気を取り戻します。
これが簡単ではない事は分かっています。しかし、なす術がないかと言われると、そんなことはありません。
どんなに人材不足で、資金不足の現場でも、使える資源はあります。
私たちが目を向ける資源は2つ。
1つ目は、人の中に眠った「成長可能性」、そして2つ目はテクノロジーです。
人間が本来持っている、学びたい、改善したい、成長したいという欲求を掘り起こせば、今いるチームで生み出す事の出来る価値が上がります。もし、毎日ルーティン業務をこなす事が当たり前だった現場が、常に改善と成長を楽しむ人たちの集団に変わったらどれだけインパクトがあるでしょうか?
かの有名な投資家ウォーレンバフェットも、「究極の投資先は自分」と言っているほどです。
人の可能性は、それほど大きい。
そして、2つ目の資源はテクノロジーです。
AIが登場するまでは、何か課題の解決をする時にデジタル技術を使おうとすると、それは外部の専門業者に頼らないとできない事がほとんどでした。ましてや、地方にはデジタル人材が少なく、動画やWEBの活用にせよ、社内システムの構築にせよ、デジタルマーケティングにせよ、やりたくても自分達ではどうやればいいのか分からないという事がほとんどでした。
しかし、これらのデジタルの壁は、AIの登場で一変しました。あなたがこれまで、高額な費用を払って外注しなければならなかったデジタル施策の多くを、AIがあなたのアシスタントとして実行してくれるようになったからです。
事務処理を自動化するアプリ、WEBサイトのコーディング作業、SNSの自動応答の仕組み、動画を使ったマニュアル作成と管理、その他、あなたが「こんな事を実現できるか?」と尋ねさえすれば、多くの場合AIが使えるプログラムの部品を世界中からリサーチし、組み立て、あなたの業務を手助けしてくれます。
人間の成長可能性と、テクノロジー。
この2つは、独立した要素ではありません。
これまでは自分には無縁だと思っていたテクノロジーが、AIの活用により身近になり、自分のアイデアが形になって現場の課題を解決する体験をする時、人は、発想する楽しさ、工夫する楽しさ、新しい解決策を考える楽しさを再発見するでしょう。
ルーティン業務、人手不足、販売不振、非生産的な仕事に埋もれて疲弊していた人たちが、テクノロジーを使って自分たちの能力を拡張していく喜びを知ったとき、人間の成長可能性が開きます。
私たち360Academyは、企業の現場での研修と、オンラインでの教育プログラム提供を通して、中小企業の現場にテクノロジーを使って課題解決をできる人材を育てています。
2.子育て中の親が地域企業のデジタル人材として働ける環境をつくる
今、子育てと仕事を両立したくてもできず、苦しんでいる人たちがいます。子どもが小さい、あるいは引きこもりや不登校などの困難を抱えていて、外に働きに出る事ができない。
そのような親御さんたちは、子育ての悩みと、社会からの孤立と、そして、経済的な問題を同時に抱える事になります。
親御さんたちが出口の見えない辛い状況に陥ると、当然その子供も苦しみます。
では、もし、このような親御さんが、在宅で仕事ができて、先にお話ししたような、地域企業のデジタルによる課題解決の一端を担えるスキルを身に着けたらどうでしょうか?
インターネットとノートパソコンさえあれば、1日数時間、AIの仕組みを使ってデータを作成したり、WEBサイトの更新やSNSの投稿コンテンツの作成をしたり、あるいは、もっとスキルアップして、企業の現場の困りごとを解消するアプリをつくって届けるような仕事ができるようになれば、その親御さんにとってどれだけ大きなインパクトとなるでしょうか?
やりがいと収入とスキルを手に入れて、前より元気になったお母さん、お父さんを見て、子どもにも良い変化が訪れるでしょう。
家に居ながらにして働きたい、スキルを身に着けたいという親御さんたちは、地域全体でみると大きな隠れた資源なのです。
先にお話しした、人間の成長可能性とテクノロジーという資源は、企業の現場だけでなく、子育て世代の親御さんにとっても当てはまり、そして、両者はつながっているのです。
360Academyでは、オンライン教育プログラムと実践ワークショップを通して、子育て世代の方向けのリスキリングプログラムを提供しています。
3.子ども達が大好きな事でメシを食えるように育てる
今、子ども達が病んでいます。引きこもり、不登校の子の数は年々増加し、町を見渡せば、うつろな表情でスマホに目を落としたまま歩いている子ども達を目にします。
子どもたちだけでなく、私たちはスマートフォンが人々の「注意を奪い合う」ために巧妙に仕組まれた経済の中で生きています。
世の中が不安定になり、人々は刹那の快楽を求めて、スマホの中のコンテンツを大量に消費し、依存していきます。
その最たる被害者は、抵抗する術を持たないままスマホを渡された子ども達です。彼らは無防備なまま、巨大テック企業が仕掛ける依存の仕組みによって、現実世界ではなく、スマホの中の虚構の世界に囚われてしまいます。
時代の変化とのずれが大きくなって引力を失う学校教育。子どもと同じようにスマホの世界に引きこもり、子ども達と関わろうとする引力が低下する大人達。その一方で、スマホの中の娯楽の引力だけが増大しました。この結果が、今の病める子どもたちの現状だと、私たちはとらえています。
そんな子供たちに必要なのは、「身近なリアルの世界の引力」です。
コンテンツを一方的に消費するだけの状態から抜け出し、「探求したい」「つくりたい」という気持ちにさせるような引力です。
そのためには、身近に、情熱的に何かに取り組む仲間の存在が必要です。
ここでも、私たちがきっかけとして使うのはテクノロジーです。
子ども達を依存させているテクノロジーを逆手にとって、探求のための道具として使います。
ゲームが好きな子なら、ゲームを消費するのではなく、作る側に回る事で、3Dデザインやプログラミングを体験するきっかけになります。
昆虫が好きなら、自分で写真、動画、3Dスキャン技術を使って図鑑をつくってみる。
パソコンが好きなら、自分でアプリを作る事に挑戦してみる。
YouTubeやSNSを見るのが好きなら、自分で企画をして動画を作ってみる。
360Academyでは、子どもたちが取り組めるテクノロジーと探求の授業を用意しています。
しかし、私たちのゴールはその先にあります。
子ども達が「自分が情熱を感じることでメシを食える」ように育てる事です。
どれだけ、子どもたちが情熱をもって取り組めるプロジェクトであったとしても、それが社会と接続されていない状態だと、彼らが学校を卒業する時に、ツケが回ってくることになります。
だから、私たちは、「探求」のその先に、「それは誰かにお金を払ってもらえる価値があるか?」という現実的な問いに向き合わなければなりません。
そして、これは、今の学校教育が最も苦手とする事でもあります。学校教育において、卒業後の進路は「就職」です。
しかし、働き方が多様になり、企業と個人との関係が多様になり、あるいは、不登校が増加して組織、集団の中で働く事が現実的でない人が増えている社会構造において、「就職」を前提とした教育一本槍では、本来その子が持っている可能性の多くを埋もれさせてしまう事につながります。
ですから、私たちは、「就職できる人」ではなく「世の中の問題を解決して対価を受け取れる人」を育てる事を目的としています。
本来、仕事の本質は「価値を生み出す事」です。価値とは、誰かの問題を解決する事です。誰かの目的の達成に貢献する事です。そして、その対価としてお金を頂くのです。
この「問題解決とお金の等価交換」という発想がないまま就職をしたとて、仕事にやりがいを感じず、短期間で離職してしまう事につながります。
そして、この「それは誰かにお金を払ってもらえる価値があるか?」を考える訓練にとって、最良の教材こそ、私たちが中小企業の現場の課題解決に取り組んでいる理由です。
私たちは、ひとつながりの教育の循環の中で、「今、企業がお金を払ってでも解決したいと願っている問題は何か」を知り、「どんな能力があれば、それを解決できるか」を日々発掘しているのです。
そして、その現在進行形の課題と解決策をもとに、これから社会に出る子ども達のための教育プログラムを設計しています。
そうすることで、子ども達は、自分が情熱を感じる探求活動の先に、そこで得た学びをどのように使えば、それが雇用関係であれ、起業家としての取引関係であれ、相手の役に立てるのかという問いに向き合うことができるようになります。
これが、私たちの目指す教育の循環であり、自己実現と経済的自立のための教育です。
この循環は、企業の現場での教育活動、子育て世代の親御さんのための教育活動、子どもたちへの教育活動が三位一体となって、少しずつ実現していくもので、時間のかかる取り組みです。
しかし、この循環が実現する時、私たちは、企業の現場で、家族で、地域で、情熱と経済が循環する景色を見る事ができると信じています。