私たちの仕事
課題から知恵を抽出し、コードにする
現場の課題を分解し、越えるための流れを設計し、部品に分けて実装する。私たちはこの工程を「WaC(Wisdom as Code/コードとしての知恵)」と呼んでいます。
360Academyの仕事は、組織や地域の現場で発生する課題の解決を通して生まれた知恵を、他の人が使えるように形にする事です。
例えば、「若手が入っても辞めていく」という課題に直面し、「人が育つ環境、仕組みづくりをしたい」と考える製造業の会社があるとしましょう。
まず、知恵の循環の最初のステップは「課題の分解」です。この会社がこのゴールを実現する事を阻んでいる壁を洗い出します。
- 仕事の流れが人によってバラバラだ
- マニュアルを作る余裕が無い
- 暗黙知(カンやコツ)を言葉にするのが難しい
- デジタルツールに明るい人がいない
このような壁が見えてくるでしょう。
ここからが360Academyが仕事をする領域です。
まず、壁を超えるための理想的なプロセスを設計します。
- 人それぞれの仕事のやり方を動画で記録する
- 作業者間の違いを把握する
- もっとも理にかなったやり方に統一する
- 動画、AIなどを活用して、現場の負担を増やさずマニュアルを整備する
- 出来上がったマニュアルに対し素人目線で質問をする事でベテランの暗黙知を可能な限り引き出す
- 引き出された暗黙知をマニュアルに追加する
次に、プロセスを実際の仕組みとして実装するために3つの部品に分けます。
1 世の中に存在する「定石」としての作法
すでに確立されている手法については、「車輪の再発明」を割け、リサーチを行い、その定石に従ってプロセスを設計します。
- 暗黙知の可視化をするための確立された手法
- 学習効果を高めるマニュアル、トレーニングの設計
- 職場で発生している工程に関する疑問、判断揺れのヒアリング方法
- etc
3 プログラム化が可能なもの
プログラムコードによる自動処理、AIによる作業の代行など、指示さえあれば人間が直接手を下さなくてもいいものはプログラム化します。
- 現場からの疑問のヒアリングフォームを分析し、ベテランへの質問リストを作成する
- 撮影した動画を解析して、工程をドキュメント化する
- ベテランの作業に対して素人目線の質問を生成する
- 作業工程の動画を意味のまとまりに区切り、字幕をつけて保存する
- 動画から写真を切り出して、印刷用マニュアルを作成する
- etc
4 仮説と検証
ここは人間が主役となり、AIと協働して行う部分です。仮説を立て、実行された結果を見て判断し、改善を加えるプロセスは、AIは判断材料を提供し、分析し、人間が最終判断をする事が求められます。
- 新人が優先して学ぶべき工程のリスト化
- 属人化した作業工程の統一判断
- 新しく出来上がった教育の仕組みに対する運用評価
- etc
3つの部品が設計できたら、次は全体オペレーションの実装作業です。ここでは、ClaudeCodeなどのコーディングエージェントをフル活用し、必要なプログラムを書いていきます。
私たちはこの工程を「WaC(Wisdome as Code/コードとしての知恵)」と呼んでいます。
問題を解決するための一連のプロセスは、「思考」と「処理」の連続です。このプロセスを可能な限り、製造業のNC加工機械のように、コード化していきます。
どれだけ長い加工でも、NCコードの1行1行が意味を持ち、材料を加工して、次の工程へ送るように、問題解決のための一連のプロセスを以下の例のように「AIがプログラム可能な指示」へ展開します。
- 撮影された工程の動画から音声を抽出する
- 音声を文字起こしする
- 文字起こしを意味のまとまりに区切る
- 意味のまとまり毎の時間スタンプを手掛かりにもとの動画から静止画を切り出す
- 動画に対して質問をコメントできる画面をつくる
- 集まったコメントを整理してベテランへの質問一覧を作成する
- ベテランが質問に対して音声で回答を入力できる画面をつくる
- 入力された音声を文字起こしする
- 回答の文字起こしと元の文字起こしを統合して、Q&A付のマニュアルを作成する
- ここまでで保存された内容はAI検索可能なデータベースに保存する
- チャットで工程に対して質問できるチャット機能をつくる
- つづく
これが、「知恵を再現するためのコード」になります。
そして、どうしてもコード化ができない部分は、人間の領分として明確に役割を分担し、プロセスの要所に介在させます。(これをヒューマン・イン・ザ・ループと呼びます)
ここまでくると、いよいよ実証・運用段階です。
実際に、ベテランさんの工程を動画撮影し、プロセスに投入する。人間は文字起こしの内容を修正・チェックし、ベテランは質問に答える。
出来上がったマニュアルを実際の新人研修で使い、その効果について評価する。
この「知恵のコード化」は、「人間でなくてもできる仕事」と「人間にしかできない仕事」を切り分け、人間にしかできない仕事により多くの時間を集中させる手助けをします。